子育てには、これがよくて、あれはだめという公式はありません。
でも、知っていると子育てに役立ち、もっと子育てが楽しくなるような”技”はあります。
ここでは、こうした子供たちに関する情報をQ&Aにしています。
Q1.おもらしをします。失敗したときはどう対処すればいいの?
A1.出ても出なくても時間を決めて、定期的にトイレに連れて行き、出たときはたくさん、
  ほめてあげましょう。ほめられることによって、子ども達は快感と自身を感じます。反対に
  できないからと叱ってはいけません。
   おもらしをしてしまったら、明るく「あら〜、おもらしをしちゃったの。この次はがんばろうね。」
  と繰り返しましょう。あせらず根気よく!!がんばりましょう!!
Q2.覚えたての乱暴な言葉を使うので困っています。
A2.どのような場合に使うのかをはっきり把握して、心の中に何があるのかを判断しましょう。
  遊び仲間の中で自己アピールして自分を友だちに認めさせようとして使っているのか、
  お母さんに何らかの発信をして、自分の方を向いてほしいと願っているかもしれません。
  言葉の使い方を教えるのではなく、お母さんは、その言葉使いは好きではない、まわりの
  友だちもあまり気持ちのいいものではないということを伝えてあげ、あとは発達していく過程
  の一部としておおらかな気持ちでみてあげましょう。
Q3.園であったことを聞くのですが、何も話してくれません。
A3.幼稚園での様子を知りたいと思って「今日は何をした?」と聞くと、「忘れちゃった」としか
  話をしてくれないと、お母さんとしては、悩み心配されることと思います。
  しかし、話さないからといって、別につまらないわけではなく、けっこう本人は楽しんでいる
  のです。自分の胸の中では、今日遊んだこと、一日のいろいろなことを思い出している場合
  があります。幼稚園で一杯遊んだ後は、家に帰り、お母さんに思う存分甘えたい気持ちが
  大きくなり、園でのことはすっかり忘れてしまうこともあります。あせらないで、子どもから
  話し出すようなきっかけを与えてみましょう。例えばおやつを食べながら「今日お母さんね・・・」
  とお母さんの一日を話しながら、子どもとの会話をゆとりを持ってされてはいかがでしょうか。
Q4.「叱ること」は必要だと思いますが、叱り方がわかりません。
A4.「叱る」とひと言でいっても、大きく分けると、2つが考えられます。
   ひとつは、他人や自分に危険が及ぶようなケース。もうひとつは、子どもとして身につけて
  もらいたい態度や習慣を注意する場合。前者は「大変な状況である」ということを気づかせ、
  危険を知らせる必要があるので叱る側も真剣に伝える必要があり、叱るタイミングや叱り方を
  悩むことなく注意しましょう。後者で大切なのは、子どもにわかりやすく、具体的な言葉で、
  なぜそうしなければならないか理由がわかるように叱ることです。「何度言えばわかるの」
  「ちゃんとしなさい」「いつも言ってるでしょう」と理由を話さないと、叱られるから、その時だけの
  行動で身にはついていない事が多いようです。気をつけなければならないのは、同じことを
  しているのに、叱られるときと叱られないときの矛盾がないようにしましょう。叱った後は、
  ほめてあげることも大切ですね。
Q5.帰っても近所に遊ぶ相手がいないのでかわいそう。
A5.親として「遊んでもらえていないのかな?」と、つい不憫に、かわいそうに思ってしまいます。
  まず、お子さんが降園後どんな過し方を望んでいるのか、理解してあげましょう。自宅に戻って
  その子なりの遊びを求めていて、案外、幼稚園ではお友だちと遊んだから、家では、お母さんに
  甘えたいと思っているかもしれません。もしも、お子さんが遊びたそうにしていたら「家にきて
  もらおうか?」「○○ちゃんのお母さんに聞いてみようか?」など、お子さんの望む気持ちを
  確認し、親同士で相談することも、ひとつの方法ですね。あまり、「この子のため」と決め込む
  ことは避け、何を感じているのかをよく理解し、あまりあせらず、手助けしてあげましょう。
Q6.テレビゲームばかりやっているので困っています。
A6.まず、なぜテレビゲームがいけないのか考えてみましょう。
  【・目が悪くなる。 ・ひとりで画面に向かっているため、友だちと遊ばなくなる。 ・夢中になり
  すぎて、他のことをしなくなる。 ・気が短く、怒りやすくなる。 ・体を動かさない。 ・お金が
  かかる。】 しかし、現在は、テレビゲーム・電子ゲームが主流で、自分の子どもだけ、ゲームを
  知らずに仲間はずれにされるこもという心配もあります。ピンチをチャンスに変える発想で、
  子どもと話し合うことが大切になってきます。【・時間を決めて遊ぶ。 ・お母さんやお父さんの
  手伝いをする。】などの約束を作り、約束を守ることの大切さ等、いろいろなことをこの機会に
  家族みんなで話し合うことを考えてみましょう。このとき、子どもの意見も十分に聞いてあげる
  ことが大切です。「1時間ゲームをしたら、30分外で遊ぶ」など、マイナスと思われる面をどの
  ように回避できるか考えてみましょう。
Q7.何をしても飽きっぽくて、集中力に欠けます。
A7.大人から見たら、飽きっぽく集中力に欠けるように見える姿こそ、本来の自由な「子ども」なの
  です。この自由さを心と体で満喫した子どもだけが「集中力」というはさみを手に入れることが
  でき、このはさみで世の中から、本物の興味を切り取ることができるようになるのです。成長
  するに従って、興味を持つ対象がはっきりしてくるので、好きなことが親の目からもわかるように
  なります。できるだけ親子の会話を楽しみながら、見守ってあげましょう。何かをしながら「ぶつ
  ぶつ」言っているのは集中力の芽生えです。飽きっぽくて集中力に欠けるように思えるのは、
  子どもが興味の対象を探している段階だということです。うちの子は何が好きなのかしらと
  ゆったり構えていきましょう。
Q8.友達の言葉にすぐに傷ついてしまいます。
A8.幼稚園では、色々な環境で育った子どもたちが生活しています。伝え方や受け取り方は人に
  よって違うということです。言葉を獲得していくうえで、汚い言葉や乱暴な言葉もよく耳にします。
  グサッっとくるひと言を言う子もいます。自分の思いがうまく伝わらず、つい手を出してしまう子ども
  もいます。そのような中で友だちとのやり取りができるようになり、人間関係も育ってき、受け取る
  言葉に耐性もついてきます。行きすぎた言葉づかいをしたり、言葉数が少なくても乱暴に表現して
  しまう場合、「それは言いすぎだよ」「その気持ちは、こんなふうに伝えれば」と言葉をかけてあげ
  たらいいですね。子ども達は話すことを楽しみにしながら、徐々に言っていいこと、悪いこと、相手
  を思いやり、正確に自分の気持ちを表現するためには、どうすればいいかを身につけていくのです。
Q9.子どものけんかにすぐ口出しする親がいて困っています。
A9.いつの時代も必ずいらっしゃいます。このようなお母さんは、きっとかわいいわが子の痛みは、
  自分の痛みと考えていらっしゃる方でしょう。子どもの一方的な訴えだけを聞き、カッカして口を
  出したくなる気持ちもわからなくありませんが、子どものけんかに口を出して大人が解決してしまう
  状況は、よくないことだと思います。保護者同士のコミュニケーションがとれている場合、解決も
  スムーズに行きます。相手の親がけんかに出てくるから困ると言うことより「子どものけんかに口を
  出す嫌なお母さん」という捉え方ではなく、「同じ子どもを持つお母さん」という感覚で、お母さん同士
  が心を通わせることから始めましょう。
   子どもは"泣いて、泣かして、泣かされて"相手の気持ちを理解しあうことも頭に入れておきたい
  ですね。
Q10.泣き虫で甘えんぼう。いつまでたっても赤ちゃんです。
A10.「泣き虫で甘えんぼう」を直すには、まず子どもが泣いている間は、まわりの大人はすぐに
  子どもの要求を満たさないこと。子ども自身の要求をはっきりと言葉で表現できるように、ゆっくり
  時間をかけて聞いてあげることが大切です。泣かないで話ができたときには、いっぱいほめて
  自信をつけてあげましょう。衣服の着脱や排泄など上手にできないからと親がさっさとやってしま
  っては、いつまでたっても自立心は育ちません。子どもが自分でやりたいという時期に多少失敗
  したり時間がかかってもじっくりとやらせ、できたときにはたっぷりとほめていくと、泣き虫で甘えん
  ぼうを少しずつ卒業し「自立心」や「自主性」「主体性」「社会性」が育ち、友だちとも遊べるように
  なっていきますよ。
Q11.よその子を叱ってもよいのでしょうか?
A11.よその子を叱りたい時に、その子の親も一緒だったりすると、叱るべきか、否か悩みますね。
  しかし、公衆道徳に反する場合や、他人を蔑視、中傷することを言った場合、暴力の度がすぎる
  場合は、その子の親がいてもいなくても大人として静止し叱ることは必要です。社会生活をする
  うえで、大人がきちんと教えなければなりません。しかし、子供同士の遊びの場合は、おもちゃの
  取り合いや何らかの原因でのトラブルは、他者との関わりや気持ちを伝えることの大切さを育て
  たいので大きな心で見守りたいところですが、たたく場面に至ったらストップをかけ、「だめだよ。
  ぶつことはよくないことなのよ。」とお互いの言い分を言葉に出して表現するようにしむけましょう。
  大人が解決しなくてもかまいません。そこに至るまでのプロセスを子どもが体験することが大事
  です。お母さん同士の関わりも大切にしたいですね。
Q12.無表情で子どもらしくないのが気になります。
A12.「子どもらしくない」「無表情」とは、どんなことを指して言っているのでしょう。心に病的な障害が
  ないかぎり、どの子どもにも喜怒哀楽はあり表現のしかたに個人差があると考えられます。緊張や
  不安から、また恥ずかしがりやの性格、新しい環境になじみにくいなど、様々な要素がからみ、
  自分の思いや表情をストレートに出せない場合があります。そんな心に気づき、その子がリラックス
  できるように話しかけたりスキンシップを心がけてみましょう。ご家庭の関わり方を少し振り返り、
  いちばん長く時間を過ごす家庭で、かかわりが希薄だったり、親自身がうまく感情表現するのが
  下手な場合はともすると、お子様も無表情になりがちです。話しかけるときはいつでも笑顔で。
  スキンシップを大切に。大人が何でも先にせず、子どもが求めて自分から表現していける環境を
  つくってあげましょう。
保育あらかると 参考資料 「園長先生が答えるママの悩み100」 叶「界文化社発行